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その次の週、拓司は古城の兄の紹介で
龍巳の会社にお邪魔していた。
「初めまして。お会いできて光栄です」
「こちらこそ、本日はお越しいただき、誠にありがとうございます」
この会社の社長は、40代半ば。
短い茶髪で、清潔な感じだ。
拓司は、社長と話をする。そしてしばらくすると社長と別れる。
「申し訳ありません。私は、少し抜けさせていただきます。
ご自由に社内をご覧ください。わからない部分があれば社員にお聞きください」
「はい、解りました。拝見させていただきます」
社長と別れ、廊下を歩いていると前から、見た事のあるような顔の男性が現れた。
まさか…
拓司は、すぐに判った。兄・龍巳だ。
しかし、今は社長の顔なのだ。澄ました顔でやり過ごそうとする。
「こんにちは…」
すると、龍巳は信じられない行動に出た。
「こんにちは。あ~昨日の“桃ちゃん”は、うまかったな~」
「!!!」
拓司の身体が反応する。
「…っ、や、やめ…」
ささやく、拓司。
だが龍巳は、ニコリ
「社長も“桃ちゃん”は、お好きですか?」
「!!!」
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