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翌日…仕事を済ませた拓司は、久しぶりに近くの公園に来ていた。
時間は、もう夕方だけれど、夕日を浴びながら、ベンチに座り、缶コーヒーを飲んでいた。
「ん~なんか幸せだな。明日は、久しぶりに何もないし…」
その時、拓司の携帯がメールを着信した。
見ると、龍巳からだ。
『たく、お疲れ。今夜、一緒に飲まないか?たまには、いいだろ?』
「はぁ…龍にぃ、バレバレだよ。シたいんだよね?」
拓司は、断りのメールを送る。
と、間もなく拓司の後ろに人の気配を感じた。
「あれ~?変だな。たく、何も予定がないって言ってなかったっけ?」
「!!」
拓司は、ビクッとした。その声は……龍巳!!
龍巳は、私服姿だった。
「あ、こんばんは。
お兄さん、誰かと待ち合わせ?」
「え…あ、あの…」
拓司が、振り向く事なく話そうとすると、龍巳はわざとらしく言った。
「聞いてくれる?
オレの弟、たくって言うんだけどなんで嘘ついてまで、オレと会いたくないのかね?
あ、弟は“桃ちゃん”が好きなんですよ~“桃ちゃん”が」
「!!! や、やめて…龍にぃ、やめて!!」
拓司は、バッと立ち上がり、車まで走ろうとする。
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