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「はぁ…はぁ…」
深い呼吸をする拓司。
互いに衣服を整えると、龍巳は、拓司にメガネをかける。
「早く戻らないと…」
「じゃあ、オレが案内してるみたく戻ろう」
何事もなかったかのように、澄まして先ほどの場所まで戻る。
「約束を忘れるなよ?」
龍巳は、拓司にささやくと歩いて行った。
「おお、酒巻社長だ!!」
社員たちが寄ってきて、拓司に話しかける。
拓司は、ホッとして話をする。
こうして、この日は、誰かにバレる事もなく、無事に過ぎた。
さて、その週の金曜日。龍巳からメールが届く。
『たく、お疲れ。明日か明後日…少しでも会えないかな? 約束…だろ?』
その時拓司は、会社から帰る途中に、カフェでコーヒーを飲んでいた。
「まったく…あんな強引な約束は無効だって…」
拓司は、明日は夜なら空いていたが
『ごめん、都合がつかない』と送った。
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