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「……わかった、大人しく帰る」 流石にシューさん命令じゃ文句も言えず、また、覗き見されるのはもっての他。ロシュ君も素直に従うしかない。 「明日を信じて。――またね」 私は、その先もずっと信じてるから、暫しのお別れ。 「また、明日」 「そんじゃお邪魔しましたー」 ルー君が茶目っ気たっぷりに敬礼して、部屋の扉がパタンと軽い音を立てて閉まった。 寂しくなっちゃったなー。前はエイダさんとガールズトークで盛り上がれた分、余計一人でつまんない。 ……しかし、不覚だ。人の気配に反応出来なかったなんて。ロシュ君も私も、周りが見えなくなっちゃうみたい……って、一人で惚けてどうする。 やることもないし、自分の恥ずかしい思考をどっかにやっちゃいたくなって、私は夏休みの宿題(残り)を片付けることにした。 やってるうちに何だか集中しちゃって、侍女さん達が夕飯を持って来てくれるまでちっとも周囲に気付かなくて、更に落ち込んだのはここだけの話。
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