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まだ目の焦点が合ってない感じなんだけど、大丈夫かな、ロシュ君。 「ねーねー、そのルークって人、いい男?」 「あ、えー、た、多分……」 「いやん、楽しみー」 ミカちゃん、マイペース。尋ねられたロシュ君は益々遠くに意識が飛んでる。 「でもルー君、十九歳だよ?」 「あらま、残念だわー。アタシ、年下にはあんまり興味ないのよねー。まあでも、目の保養くらいにはなるわよね」 流石だお姉さん(……でいいんじゃないかな。仕草も女らしいし、『お兄さん』の方が違和感感じる)、エイダさんばりのバイタリティ。 私の周り、よく考えたら肉食系のお姉さん多いかも。 のんびりしているうちにロシュ君も何とか戻って来て(笑)、後はルー君だけとなった。 「――ルーク、来たみたいですよ」 気配を察してロシュ君が呟いた。それからすぐ扉が開く。 「すんませーん、ちょっと支度に手間取って……」 「あー! あんた、ザ……!」 ミカちゃんが素っ頓狂な声を上げた瞬間、目にも止まらぬ速さでルー君が手でその口を塞いだ。 「……レイナ様、ちょっと知り合いみたいなんで、そっちで話してきていーですかー?」 不自然なほどにこやかなルー君は、そのままミカちゃんを引き摺って行こうとしている。 「ふぇ? い、いいけど、ミカちゃんはいいの?」 何か、必死で抵抗してるっぽいような……。 「ルーク?」 「あー、なんつーか……、ちょっと行って来ますっ!」 ルー君がミカちゃんを抱えて脱兎の如く逃走した。 私達は、唖然とそれを見送るしかなかった。というか、ミカちゃんは何を言おうとしたんだろうか。 数分後、何事もなかったかのように二人が戻って来た。 「何を話したかって? 大人の事情よ。ひ、み、つ」 「そーゆー言い方、やめてもらえないかなー……。ま、同意なんだけど」 やっぱり秘密なのね。 「ルーク……、モテる割りに彼女を作らないと思ってたら……」 ルー君のこめかみに青筋が浮いた。 「――ロシュ、いくらお前でも本気でぶん殴るぞ?」 「ちょっとぉ、ロシュ君。いくら見目が良くても、ザ……ルークだけはお断りするわ。アタシにだって選ぶ権利はあるもの。こんな性格悪い男、絶対嫌」 二人からブーイングの嵐。
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