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「アンタ達なんてことしてくれてんの!? 死にたいの!? 一歩間違ったら全員あの世で女神様にお会いする羽目になってたかもしれないのよ!? いいこと!? 転移するってことは、素人が考えるほど簡単なもんじゃないのよ!!」 ディノスとレドクリフさんが揃って怒られている。 「ごめんなさい」 「申し訳ない……」 「謝って済むなら騎士も警備隊もいらないわ!」 ミカちゃんのお怒りは尤もなので、誰もフォロー出来ないのである。 話を数十分前に戻そうと思う。 あ、真っ暗。私はすぐそう思った。坑道に転移したから暗いのは当たり前なのだろうけれど、近くにいた筈の皆の気配が遠くなっていた。 「ちょっと、皆大丈夫!? 返事して頂戴な!! レイナちゃんはどこ!? 怪我はない!?」 少し離れた場所から、切羽詰まったミカちゃんの声が聞こえた。 「レイナは大丈夫でーす!」 坑道だけあって声が響く。私の返事を皮切りに皆が返事をし出した。 「……ロシュ、何とか無事みたいです」 「ルーク、死んでない……」 「ディノス、生きてるよー」 「レドクリフ、無事だ」 「誰か灯りつけて!」 私から二メートルほど先で、暗闇に火打石の火花が見えた。それからほどなくして松明が燃え上がり、ルー君の顔が浮かび上がった。 照明に集まる虫の如く、皆が灯りに近寄っていく。 「ミカちゃん、大丈夫?」 「アタシは平気! あああ、良かった、本当に良かったぁ……」 感極まったミカちゃんが私を思い切り抱き締めた。やっぱりいい匂いがする。 「ミカエラ殿……」 「そうだわ、こうしちゃいられない!」 私から離れると、ミカちゃんはロシュ君をあっさりスルー。自分の荷物らしき物から五センチ程度の水晶の欠片のようなものを取り出して、何かしらやり始めた。 「ロシュ君?」 「……複雑」 「ロシュ君、私とミカちゃんに妬くのは、セラフさんと私の仲を疑うようなものだよ」 「え?」 「友情以外育みようがないの。女同士だから」 ミレイさんみたいにフリーダムな人もたまにいるから、断言は出来ないかもだけど。
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