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「……要するに、男に見えるけど、中身が違うってこと……でいいんでしょうか」 「多分それが近いと思う。ミカちゃん、心が女の子」 エイダさんのお墨付き。 ロシュ君は黙りこんだ。真面目な顔で腕を組むこと数分。 「あー……そうか、 男だと思ってたから変な感じだったけど、 やっと違和感がなくなった気がします」 思っていたより遥かにロシュ君は頭が柔らかかった。 「そんなもんかなー……。レイナ様、俺にはロシュみたいには思えないんですけど」 理解の早いルー君にも苦手なジャンルがあったようだ。 「うーん、それは人によるとしか言えない、かも……」 全ての人が同じように理解するとは思えないし、思わない。私は感覚的に「お姉さんだ」って思っただけであって、理解とはちょっと違う気がするしね。 ロシュ君には私の思ってることを言ったが、完璧な正解だとは思ってない。 「じゃあ、難しく考えないで、ミカちゃんはミカちゃんだと思ったらいいんじゃない?」 「ますますわからない」とルー君が頭を抱えた。 「あー、やっぱり駄目だわ、連絡が取れない」 「それ、何だ?」 珍しいもの好きのルー君はやっぱり食い付く。 「詳しい説明は省くけど、ロシュナンドと連絡用の手段よ。困ったわ、この坑道、輝聖石でも採れるのかしら?」 「輝聖石が何か悪いの?」 ロシュ君とルー君の視線が私へと向いた。 「最近の研究で、輝聖石には魔力を拡散させる性質があることがわかったのよ。纏まった力が飛ばなくなるから、通信系の術には最悪。少量なら問題ないけど、鉱脈があったりすると……」 「……このくらいなら、平気?」 いつも着けてる袋を取り出して、輝聖石の指輪をミカちゃんに見せた。 「……だ、大丈夫なはずだけど、よく着けてられるわねそんな恐ろしいもの。……ああ、お子ちゃまだからか」 ……驚いた後、何か納得された。それに対して反論出来ないのがちょっぴり悔しい……。 「ここはどこになるんですか?」 ロシュ君がミカちゃんに尋ねた。 「予定通りに着いていれば、エルミナス坑道の筈よ」 「――エルミナスか……。確かに輝聖石も採れますね、ここは」
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