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これも彼の口癖だった。
「ゆっくり探せばいいじゃない…?」
「俺、別に夢とかなくて…
ただあなたと結婚して、子供が生まれて…
そしたら幸せかなぁって…。」
私も結婚したいと思えたのは彼が初めてだった。
昔から自分はずっと結婚してもきっと離婚して、
1人で子供を育てるのだろうと考えていた。
旦那なんて結局は他人同士だし、
セックスなんて、男の自分勝手な欲求で、
女からしたらただ子供を作る為の行為だと思っていた。
きっと自分には幸せな結婚なんてできないと思っていた。
…でも彼ならばずっと一緒にいれるような気がしたのだ。
「あなたは?」
「…私も
玉木さんと結婚したい…。」
…そう
玉木さんと結婚して…
玉木さんはきっと無難にサラリーマンになってて…
子供が生まれて…
毎日はなんとなく過ぎていって…
玉木さんは週末会社の同僚と飲みに行って……
私は独りで子供の面倒をみて……
私は玉木さんと子供しかいなくて……
毎日家にいて、お菓子食べながら昼ドラとか観ちゃって…………
…駄目だ。
このままじゃいけないって自分で分かっていた。
私には"友達"が必要だったのだ---。
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