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それはさかのぼること約6年前、
俺は友達が店長をつとめる洋服屋を手伝っていた時のことだった。
友達が1人でお店をやっているから、
俺はその友達が休みの日の穴埋めとして週1~2日程度だけ出勤していた。
「フクさん、こんにちは!
また来ちゃいました♪」
「おお!詩織ちゃんいらっしゃい!」
当時15歳だった詩織ちゃんは、お店の常連さんで、
しょっちゅう遊びに来ていた。
常連さんとは言っても、ただ暇つぶしで俺に会いにきてくれているようで
彼女は特に何も買わず、いつも2人で長々と立ち話をしていた。
「これ買っちゃおうかな~♪」
「やめとけって!小遣いもったいないよ。」
まぁ15歳で中3だったし、逆にわざわざ買い物して欲しくはなかった。
「フクさん、お店終わった後用事ありますか?」
「特にないよ?
じゃあまた一緒に公園でも行こうか?」
「はい♪」
小さなお店だったから、1人で店を開けて1人で店を閉めて帰る。
そしてたまにこうやって詩織ちゃんと夜2人で話をしていた。
その詩織ちゃんは初めて会った時から
強烈な負のオーラを感じ取れてしまって、
俺は気になってしょうがなくて、せめてこの店に出勤する日くらい
なるべく彼女と一緒にいようと思っていた。
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