後悔の先

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この頃、俺はまだホルモン注射を受ける前で 声はまだ甲高く、性別不詳な感じだったけど 坊主だったし、詩織ちゃんからは男だと思われいた。 「え?ホントですか? ホントにホントに女の子なんですか!?」 「うん(笑)」 詩織ちゃんは心の底からびっくりしたようで大声をあげていた。 俺のこのカムアウトから俺らは更にギュッと距離が縮まって、 詩織ちゃんは俺になんでも話すようになってきていた。 「フクさん聴いて♪」 彼女はゴスペル好きでよく俺の前で歌ってくれた。 とても透明感がある声だけど、 彼女が何を歌っても全て哀しく聴こえてしまう…。 きっとそれは彼女の内面的なものなんだろう。 彼女はよく1人で教会に行っているようだった。 「学校は?」 「私、学校に友達いないんです…。」
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