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その後、詩織ちゃんはわざわざ俺を駅まで送ってくれた。
「フクさん…。」
「ん?」
「フクさんはなんで私にこんな優しくしてくれるんですか?」
「……。
…う~ん、
なんか詩織ちゃんはさぁ
少し俺と似ているから気になっちゃうのかも(笑)」
「…え?
似てる?」
「うん(笑)」
そして俺は、詩織ちゃんに少しだけ自分の昔話を立ち話して帰った。
詩織ちゃんはなんだか俺の暗い過去をワクワクしながら聞いてくれてるようだった。
「じゃあ気をつけて帰ってね。」
「……。
実は今日、まだ彼から返信がなくて…。」
「そうなんだ?
じゃあそれまでどこかお店の中とか暖かい場所で待ってた方がいいね。」
…あぁ
俺はなんで彼女のシグナルに気付きながら、
別れを選んでしまったのだろう…。
「…はい。
じゃあまた来週楽しみにしてます。」
「うん。じゃあまた♪」
詩織ちゃんは俺に手を振って、
俺は背を向けて改札に向かっていった。
敢えて振り返らなかった。
きっと寂しそうな顔をしてるのが分かっていたから…。
そして俺はこの後、大後悔することとなる---。
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