後悔の先

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それからすぐ俺は母親に電話して相談した。 母親の答えはこうだった。 「幸子が迎えに行ったところで彼女の面倒までみれないでしょ? 帰る場所ないなら警察に行くように言ったほうがいいわよ。 警察ならちゃんと保護してくれるから。」 「……。」 俺はどうすればいいのか分からなくなって、 一緒に住んでるケンジとタカに相談した。 「フク、お前が助けてあげたい気持ちも分かるし、 もしお前が本当にその女の子を面倒みたいならウチに連れてきても俺らは構わんよ。」 「…。 ありがとう。」 タカは冷静に話を続けた。 「でもな、 フクがそこまでする必要なんてねぇし その子をちゃんと面倒みれないならやめといった方がいいと思うよ?」 「フク、俺もフクがそこまでする必要ないと思うよ? 可哀想かもしんないけど、そんなん気にしてたらキリがねーよ! そんな子は世の中いっぱいいんだよ。 中途半端なことしない方がいいよ? その子の将来まで面倒みれるならいいと思うけど。 だいたい俺らこれからクラブ行く約束してるしな。 もし来ないなら早めに言えよ?」 タカもケンジもあまり乗り気じゃないようだった。 「……。」 俺は迷っていた。 詩織ちゃん… 君はこの後どう生きたいのだろうか…? 2ヶ月経ったら本当に住み込みの仕事をするつもりなのだろうか…? それは彼女にとって幸せなのだろうか……? 「フク、お前がそんな背負う必要なんてねぇよ。 お前はまず自分の事を考えろよ。」 タカの一言を聞き、俺は決心して詩織ちゃんに電話をした。 「…もしもし。詩織ちゃん?」
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