悲壮の連鎖

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2011年5月11日-- 貧乏アイドルとして有名な上原○優が自殺した…。 翌朝ニュース速報を見た俺は、高円寺の職場に着くなり将吾くんに報告した。 仕事が終わった後も将吾くんと2人で、ブルさんと約束した目黒駅に電車向かいながらその話をしていた…。 「24歳の若さで自殺しちゃうなんて… 勿体無い…っ。」 「俺と同い年やな…。 しかもスカーフとベルトで首吊りなんて…。」 「恋人とのことで悩んでたんだってさ。 でもそんなんで命落とすなんて…俺には考えらんねぇわ。 あんだけテレビ出ててファンもいっぱいいて人気者なのに…。」 「そんだけファンがいても上原○優にとっちゃ恋人の存在の方がデカくて… 死ぬ程悩んでたってワケやな…。」 「……。 …そだね。」 俺はなんだかちょっとゾクッとした…。 目の前にいる24歳の将吾くんも、 もし翠ちゃんの事で何かあったら命を落とし兼ねないんじゃないかって……。 恋愛ってそんだけ夢中になってしまうものなのだろうか……? 「これからまた似たような自殺が流行っちゃいそうだね…。」 「絶対そやろ?w 多分同世代の女性はみんな同じような首吊りするんやない?(笑)」 俺らはこんな冗談を話していたけど 実際、後に同世代の女性の自殺が1ヶ月の間に通常の1.5倍ほど増加した…。 「上原○優の自殺は多分震災の影響もあったんだろうな……。 でも、被災地の人なんて恋愛どころじゃないのに… なんかそんなんで死ぬのは悔しいよ…。」 「そやね。 人の価値観っていろいろやからなぁ。 俺も… いつ死ぬかわからんよ?w」
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