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それを知ったのは翌日の仕事の休憩時間だった。
メールで昨晩どうしたかたずねると、詩織ちゃんからお義父さんの元に帰ったと返答がきた。
それ以上聞けなかった…。
聞かなくてもメールのニュアンスで伝わってきたから…。
俺を怒っている…?
それとも悲しんでいる…?
きっと両方に違いない…。
それから俺は罪悪感から少し距離をおくようになってしまっていた…。
そして、それもまた更に彼女を追い込む要素になってしまったのだろう---。
それでも彼女は、あれから何もなかったように、いつも通りお店に通い続けていた。
「フクさん♪
これとこれどっちが似合う?」
「う~ん…。
俺はピンクの方が好きだな♪」
「じゃあピンクにしますっ♪」
ピンクのブレスレットとパープルのブレスレット…。
詩織ちゃんに似合うのはパープルだったけど、敢えてピンクと言った。
パープルはなんだか"悲しみ"を感じさせる色だから…
明るいピンクをつけて欲しかった。
「どう?」
詩織ちゃんは購入したブレスレットを早速つけて、ポーズをとって俺にみせてきた(笑)
「ぉお!?かわいいね~♪
これまたモデルがいいからねぇ(笑)」
「ンフフ(笑)」
自慢気な顔をしたと思うといきなり表情が変わった---。
「フクさん。今までお世話になりました。」
「…は?」
「私、実は来週福岡行くんです!!」
「…え!?」
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