悲壮の連鎖

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「……っ。 …すみません。 確かになんの考えもなしにシゲルに紹介してしまいました…。」 「別にお前に悪気がないのは分かってるんだ。 でもお前はとんでもない事をしてくれたっ!! 俺はもうシゲルを誘うことはできねぇっ!! もうお前しか誘えねんだよ。」 「…はい。本当にすみません。 でもシゲルもいずれブルさんとまた仲良くしたいって言ってます。 ブルさんと自分のお互いの師匠が引退したら仲良くしたいって…。」 「そんなのいつの話になるかわかんねぇだろ?w だいたいお前もシゲルに仕事紹介してる暇あったら自分も次のステップ行けってんだよ!?」 「俺は…まだ学びたいことが山ほどあるんで、 マイペースに高円寺の職場で学んで技術身につけてから、ゆっくりとプロを目指そうと考えてました。 それに、コンビニでも働いてますし…。 他にもまだやりたい事が……。」 俺は頭の中で奈良くんの事を考えていた…。 もし、ブルさんに付いていったらもう後戻りできない…。 将吾くんは分からないけど、俺は確実にブルさんの右腕となって プライベートじゃこんなに身動きできない立ち位置になるだろう…。 コンビニを辞めるのはもちろんもう2度と音楽なんてできないかもしれない……。 「お前は何年修行期間に時間をかける気だ!? コンビニなんていつまでやってる気だよっ!? もうお前もいい歳だろ!? 男ならそろそろ勝負かけろよっ!? そのままダラダラ行っちまったらお前はこの先どうなるんだ? お前にはこの先もずっと性別の問題もあるだろ? お前はこの先も1人でてめぇはてめぇの稼ぎで生きてかなきゃなんねぇ!! その点も心配だからこそ俺はお前を引き抜きたいんだっ!!」
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