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その後、彼女は母親と共にスナックで働き、しばらくしてから一度神奈川に戻ってきた。
その時、彼女の髪の毛は金色に染まっていた。
手入れが行き届いていなく、パサついて以前の光沢をなくしていた。
化粧は濃く、全体的に雑で品のないような印象を受けた。
そして、俺に対しての言葉遣いもタメ語になり、
以前のような謙虚さをなくしていた…。
別にそれをみて彼女を嫌いになったわけではない。
ただ俺には、"男にだらしがない母親"と共に堕ちていく未来しか見えなかった。
やたらテンション高く俺に話しかけてくるのに、
彼女が決して幸せそうには見えなかった。
「でさぁ、フクさん!
彼にティファニー買ってもらったんだぁ♪」
福岡でできた彼は、お店の常連客らしい。
彼女には相変わらず、"友達"がいないようだった---。
それから、彼女とは一度も会っていない。
俺はその後、携帯を無くしてアドレスがわからなくなってしまったし、
連絡を取る手段が無くなってしまった。
彼女の家も知らなければ、彼女の名字さえ知らない。
俺はあの時知ろうともしなかったんだ…。
あんな小さな携帯電話1つでしか繋がっていなかった事に気づかされた。
人生とは何があるかわからない。
だからこそ、後悔しないように……
「私はさぁ、もし自分に娘ができたら、
絶対に自分と同じような人生を歩んで欲しくないっ!!」
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