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「……永さん、福永さん!!」
「…え?あ…わりぃ。」
考え事をしていると、ついついボーっとしてしまう事がある。
「福永さんて、なんか…
時々遠い目をしますよね…。」
「……え。」
心配そうに俺の覗く"将吾"くんの瞳は真剣で…
コワい程真っ直ぐ過ぎるから…
私は思わずドキッとして…
ついつい目をそらしてしまった。
それでも将吾くんはずっと心配そうに見つめたままだった--。
「ははっw
ちょっと考え事してただけだよ。
俺、考え事してる時は視点がどっかイッちゃってるみたい(笑)」
俺は動揺を隠すように慌てて仕事を続けた後も
しばらく将吾くんの視線を感じていた。
「福永さん…
…考え事って、何考えてたんですか?」
「ははっ
別に大した事じゃないよw
ただ
今日の昼飯は何食べようかなぁとかくだらない考えてた(笑)」
別に本当にただボーっとしていただけなんだ。
動揺したのは…
将吾くんのその瞳。
そして忘れかけていたあの頃
彼から口癖かのように言われていた言葉が
こうして再び蘇ってくるとは、私には想像もつかなかったから---。
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