第一楽章:翼のざわめき

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救急車で運ばれてきてからの3日間は大変だった。 時は三日前に遡る。 目が覚めてから最初にいたのは家族。とくに妹は嬉しいくらいに騒がしかった。。 「っお兄ちゃん!」 「……」 瞼を開けると、妹は涙を流しているのが分かった。 その涙が僕の頬に当たって砕ける。 妹の後ろに見える白い天井で、ここがどこなのか、自分がどういう状況を理解した。 「お兄ちゃん! 起きた、起きた! お兄ちゃんが起きた! ずっと心配してたんだよ。てるてる坊主掛けて、……ずっとお願いしてたんだからっ」 てるてる坊主のことは良く分からないけれど、妹が心から心配していてくれたのが嬉しい。 「……うん、ありがとな」左手で妹の頭を撫でてやる。 「えへへっ、これからもお兄ちゃんとあたしはいつも一緒だよ!?」妹の泣き顔がパァーッと輝き笑顔になった。 本当にいい妹を持ったと思う。 けど…… 「それはない」 「えーっ!?」妹はまた泣き顔に戻ったようだった。 隣には母さんがいて、その目尻には隈ができている。 その瞳には涙が浮かんでいた。 母さんは、心配している素振りを見せないけれど、きっと徹夜して誰よりも僕の目覚めを見守っていてくれたのだろう。 母さん、ありがとう
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