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「雨宮あいさ」は悪魔だ。
なんて物語の冒頭にこんな唐突な文章がくるのは、これから僕が話す僕と雨宮の物語にとって重要不可欠なことだからだ。
多分、あと五十年経っても忘れることはないだろう。なにせ彼女はとんでもなく
――悪なのだ。
――鬼なのだ。
つまり、
――彼女とは悪で
――悪とは鬼で
――鬼とは彼女なのである。
このことを何回も言うと読者がしつこいと思うのは百どころか千も承知なので自重したいが、そのぐらい彼女との戦いが壮絶だったのを何を隠そう僕が一番感じていたからだ。
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