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ガチャ…ギィィ…
普段誰も入らない屋上へと続く錆び付いた扉を開く。
扉を開くと同時に、
心地よい風が吹いた。
「う~ん…!
ボクが一番乗りかな?」
1人の少女が伸びながら、柵に寄り掛かる。
「残念だったな。
私が一番乗りだ、伊奈」
「およ?さゆりんが先だったか…
お姉さんがっかりだよ!」
「同い年だろうが…まったく」
もう一人の少女が、片手のクリームパンを齧りながら呟く。
「さゆりんさ、毎回クリームパンで飽きないの?」
「お前が牛乳飲んで飽きない理由と同じだ」
「な、なんだとーぅ!?」
「いや、そこまで驚かなくても…」
この一見馬鹿っぽく見えるのが…いや、馬鹿な方が美奏伊奈。
そして、伊奈に対し、鋭いツッコミをするクールな方が湊守沙夕。
「ボクたちってさ、出会ってからまだ1ヶ月じゃない?」
「ああ、そうだな」
「出会った頃とか覚えてたりする?」
「…当たり前だろ。むしろ、強烈すぎて頭から離れない」
そう、彼女たちは最初から知り合っていたわけではなく、とある事件で鉢合わせていたのだ。
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