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トム、そんなに急がなくてもいいぞ!
ほら、言わんこっちゃない。こけちまったよ。靴ひもを結び直してやがる。靴ひも結ばずに走るなんて慌てすぎだな。
「ちょっと。」
後ろから声が聞こえたから俺は振り向いた。
「金をくれ。」
あいにく俺も金を持っていないんだ。ごめんよ。
【ズドーーーーーン】
物凄い爆音が俺の耳の鼓膜を激しく揺らした。
なんだ!
俺は振り返った。
トムが靴ひもを結びなおしているはずの場所には、巨大でメタリックな鉛筆が刺さっていた。
ト、ト、ト、トムーーーーーーー!!
トムが巨大な鉛筆にやられちまった。
グリズリーを片手で倒したと意気揚々と話していたトムが…
トムの死よりも気になるのは巨大な鉛筆だ。
何なんだ、あれは?
書けるのか?
書けるのだとしたら、メッサ欲スィーーーー!
いや、でもこの大きさに合う鉛筆削りがねぇ。
ウィーーーーーーーン
なんだ、この音は?
まるで宇宙船のドアが開くときの音じゃないか!
音と共に巨大鉛筆が神々しい光を放ってコクピットらしき部分が開いた。
おぉーーーーーー!!
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