🍀ｸﾛｰﾊﾞｰ🍀第２卷

原因

尚斗は隣町のある施設に来ていた。

尚斗「綺麗な施設だな…」

施設の中から声が聞こえる。

源汰「ガタガタ言うなよ…ちゃんと学校にも行ってるし今は夏休みだろ…好きにさせろよ」

施設員「源汰君！新聞配達も勝手に辞めたんだろ！」

源汰「卒業までのここのお金も払ったし…学校にかかる費用もあるし…卒業したら働くからもう…いいだろうが？」

施設員「しかし」

源汰「しかしもへったくれもない！好きにする。」

源汰は施設を飛び出す。

施設員「源汰君！待ちなさい！」
源汰は施設を飛び出すと入口で尚斗とぶつかった。

源汰「急いでるんで…」

尚斗「源！何処へ行くんだ！」

源汰「源？その呼び方って…」

尚斗「忘れたか？」

源汰の目にﾐﾙﾐﾙ涙が溜まってく

尚斗「早く手を貸せ」

源汰が手を差し出す
尚斗は源汰の手をシッカリ握った時源汰が力強く引っ張った…
その勢いで尚斗は力強く源汰を抱きしめた…

尚斗「すまんかったな…」

源汰「尚斗が謝る事じゃないやん…」

源汰は涙声で…

尚斗「源がしんどい時にそばにおれんかった…ﾎﾝﾏすまんな…もうええよ…思いっきり泣いたらええ…」

源汰は声をあげて泣く…

尚斗は源汰を抱きしめながら施設員に会釈をする。

尚斗「源汰…俺疲れた…部屋で休ませろ…」

源汰「わかった…」

尚斗「お邪魔します」

尚斗は施設員に挨拶をして施設に入る。

尚斗「今は一人部屋か？」

源汰「今はね…」

源汰「ここ…」

尚斗「５号室か…背番号と同じやな」

源汰「…………」

尚斗「なんか飲むか？」

源汰「うん」

尚斗「なんか買ってくるわ…待っててな…」

源汰「う…ん」

尚斗は部屋を出て入口近くの自販機のそばで、施設員に会った。

尚斗「さっきはすいませんでした。」

施設員「いえ…波木さんから今日来る事は聞いていましたから源汰君をひき止めていたところでした。」

尚斗「園長さんおられますか？」

施設員「もうすぐ帰って来ると思いますが…」

尚斗「じゃ、源汰の部屋で待ってるので、連絡もらえますか？」

施設員「なかなかの頑固者ですから…頑張って下さい。」

尚斗「大丈夫です…キズナは確かにありますから…では失礼します。」

尚斗は源汰の部屋に戻って来た。