🍀ｸﾛｰﾊﾞｰ🍀第２卷

原因

尚斗「逃げ出さんかってんやな」

源汰「出て行く意味なくなったから」

尚斗「俺に会いに来るんやったんか…それでこの荷物か…」

源汰「これから先…どうしたらいいんかわからんくなってん」

尚斗「そうか…俺も考えてた…」

源汰「ﾎﾝﾏ？」

尚斗「あぁ…源汰独りぼっちになってしもうたやろ…どうしたい？」

源汰「高校は…ﾎﾝﾏは行きたいけどな…お金ないし…働きかたもわからんし…どうしたらええんやろ…」

尚斗「色々考えたんやけどな…源汰…俺の養子にならんか？」

源汰「養子…？」

尚斗「一人前の大人になるまで俺の養子になって高校も行け、卒業したら働いてまた返してくれたらいい。」

源汰「そんなん…甘えていいんかな？」

尚斗「ええよ…お前らは俺のキズナやからな。お前くらい養える余裕あるしな…でも、約束があるねん」

源汰「約束…」

尚斗「一つは俺の養子になっても久遠源汰でいる事。二つは、バスケを続ける事や。」

源汰「バスケ…はやらへん…」

尚斗「お前がバスケ辞めたらツラい人一杯いてるんやぞ…まず、チーム空晴メンバーやろ…俺やろ源汰の母ちゃんやろ…瞬太もやぞ！」

源汰「母ちゃんと瞬太ｺｰﾁの未来を奪ったん…俺やし…」

尚斗「あれは誰も悪くない…」

源汰「だって…」

尚斗「母ちゃんはﾀｲﾐﾝｸﾞがわるかっただけやろ…めちゃめちゃ頑張ってたろ…母ちゃんは癌に負けたけど…お医者さんはめっちゃ誉めてたぞ…頑張りました…ってな…お前…頑張れてるか？一番好きな事…頑張れてるか？」

源汰「瞬太ｺｰﾁだって…あれから一度も…」

尚斗「瞬太は今何してるか知ってるか？」

源汰「し…らん…」

尚斗「瞬太はなぁ…事故の後…すぐにリハビリ頑張ってな車椅子ﾊﾞｽｹｯﾄの選手でｴｰｽをして私立の学校から引き抜いてもらって今は車椅子ﾊﾞｽｹｯﾄの顧問をしてるよ」

源汰「学校の先生？」

尚斗「そうや。夢をかなえたんや」

源汰「すごい…」

尚斗「母ちゃんも瞬太も前を向いてたんやぞ…母ちゃんも瞬太もツラい事一杯あったけどな…向かい風の中まっすぐ前向いてたんやぞ…今の源汰は前向けてるか？」