ツ キ マ ト イ

目は大きな二重。いつもは化粧をしているので今はナチュラルだが、それでも印象強い瞳をしている。

唇はピンク色で鼻は小さい。頬は風呂場上がりなのかほんのりと赤く染まっている。

「よいしょと」

洋子が花柄のソファーの前に腰を掛けたその時、ガラステーブルの上に置いていた携帯が音楽を鳴らし始めた。

音楽は今流行りの女性歌手だろうか。日本語だか英語だかわからないような言葉をアップテンポなリズムに合わせて唄っている。

そんな音楽を鳴らしている携帯に洋子は手を伸ばすと、画面を開き耳に当てた。ピンク色の携帯からはいつも付けている小さなテディベアのストラップが見える。

「あ、もしもし？　アヤー？」

弾んだような明るい声が、このアパートの狭い部屋に響き渡る。