ツ キ マ ト イ

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「うわー久しぶりだねぇ、元気だったー?」 携帯越しに嬉しそうに話す洋子。 「大学の卒業式以来だよねー!」 そう、洋子は大学を卒業して四ヶ月が経った二十三歳。今年の春から大手会社の事務として働いている。 電話を掛けてきたアヤという人物はどうやら大学の時の友人のようだ。 「どう? あんたテニス今も続けてんの?」 洋子は大学時代、硬式テニスサークルに入っていた。 「そっかー。やっぱ就職したらテニスする時間なんかないよねぇ。うちらあれだけサークル馬鹿だったのにさ」 このアヤという人物との会話からすると、恐らく大学時代の同じサークル仲間だったようだ。 「うん、私は仕事うまくいってるよ」 そう言いながら洋子はソファーの肘掛けに無防備な両足を掛ける。
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