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「にしても…すごい量だなこの原稿用紙…」
「……そ…そうかな?」
余程見られたくないのか懸命にそれらを集める茜。
しかし量が量なのですぐには集められない。
前にもこんな風に茜の物を片付けた時に聞いたっけ。
『なんで捨てないんだ』
って。
そしたら茜は…
『また何かの時に使えるかもしれないでしょ。せっかく書いたのにもったいないじゃん』
そんなこと言ってるから茜のいるところはいつも散らかり放題なんだけど…
ふと目に止まった原稿用紙を手にとってみた。
題名は『丘の上の宝』
茜は題名をつけるのが苦手だ。なので大体の本の題名は俺もしくは楓が決めている。
健はといえばあまりのネーミングセンスのなさに茜が『無理』と言ったため毎回決めるのは俺と楓だ。
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