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放課後
放課後になるとクラスの皆は、部活に行き教室には私達以外誰もいなくなってしまう。他の子は真面目に汗を流していたけど私達は似たもの同士で面倒くさいからと、どの部活にも入らなかった。いつも学校の裏の公園に行って、小さい馬やパンダの遊具にのってユラユラ揺れながら時間を潰していた。
でも、その中にはなぜか伏せのポーズをしたカエルが何食わぬ顔で馬やパンダに混じってユラユラと揺れている。
この公園にはそんな変わった遊具、ある意味ふざけた遊具が結構沢山あって、格と沙耶はここを気に入っていた。
まるで小学生の遊びみたいだけど私達はそんなことは全然気にしていなかったし、近所の人がどんな目で見ているのかも全然知らなかった。
私達が公園に姿を見せるとそれまでブランコなんかで遊んでいた子供達は格を見てあっという間にどこかへ逃げ出してしまい、誰もいなくなる。それをいいことに二人は高校生のくせに思いっきりはしゃいで遊んでいた。
「このパンダ、すげー揺れて面白い!」
遊具のスプリングをしならせながらゲラゲラ笑っている。
ここで一番はしゃいでいる格はよく体に擦り傷を作っていた。
本当にこいつは馬鹿だ。前にも、滑り台を勢いよく滑りすぎて大きな尻餅を付きそのせいでお尻に大きなあざを作っては、痛いからと言って椅子の上にわざわざ家から持ってきたテリーのクッションを置いてそっと座っていた。
それどころか入学して一ヶ月で制服のズボンに大きな穴を開けていたことも覚えている。
その原因は未だに謎で、その日私と沙耶よりもいち早く公園に走って行った格を追いかけて行くと、そこにはもう既にズボンに穴を開けた格がいた。
一体何をしたらこんな短時間でそこまで制服をボロボロに出来るんだ?何度聞いても格はズボンに穴を開けてしまうまでの経緯を全然話そうとしなかった。よっぽど馬鹿なことをやらかしたんだろう。
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