4人が本棚に入れています
本棚に追加
20XX年 夏ー
社会はロボットが支え、人間は好きなことだけをしてもなに不自由なく生活ができていた。
そして今の日本は、とある話題で持ちきりだ。
それは【タイムマシーン】である。日本英才大学の理工名誉教授の富豪博士が開発したと言われており、今日はその【タイムマシーン FUGO-0038】の一般発売日である。
これまで、業務用のタイムマシーンは常に発売されており、各国の大統領をはじめ、かの有名なハリウッドスター、モナコの億万長者はすでに乗っており、いずれも大好評だったようだ。
演歌歌手の北島八郎だけが、1990年代に生存したと言われる‘伝説の演歌歌手’北島三郎に会いに行ったきり、現代に戻ってこないことを問題視されている。
そして宝くじで1000万円を当て、そのお金を全てタイムマシーンにつぎ込む高校生がいた。
「おーい!エイジー!!」
「ん、おはよー。」
「お前は相変わらず冷めてんな~。今日、お前ん家に届くんじゃないのかよ?アレだよアレ。」
「届くよ。タイムマシーン。」
彼の名は秀川エイジ。大阪の公立高校に通う高校1年生。
勉強こそできないが(ある科目を除く)、部活動は剣道部で幼稚園の頃からやっているらしく、今では関西大会で優勝するほどだ。
「タイムマシーンが販売されて、それと同時に宝くじが当たる。まさに運命だよな。今日からお前のあだ名はラッキーマンだ!ははは!!」
ちなみにこいつの名は白田寅之助。ユーモアという言葉がもっとも似合う男。
しゃべって、しゃべって、しゃべり倒す。人は‘言葉攻めの寅さん’と言う。だからあだ名は寅さんだ。
先輩にも後輩にも、もちろん同級生にも寅さんと呼ばれ、最近は実の母も寅さんと呼んでいるとか・・・
「今日、エイジの家に行かしてよ。もちろんお前のことだから、未来に行っていろんなモノ見るんだろ?聞くところによると、一度に乗れるのは2人までだそうじゃないかー!ここに、ちょうど2人!エイジ君!僕もい・か・せ・て」
エイジは冷たい視線を寅さんにおくった。
「別にいいけど。」
寅さんは満面の笑みだ。
「やったー!!で?いつのどこに行くの?100年後?200年後?」
「500年前。戦国時代だよ。」
最初のコメントを投稿しよう!