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「お前最近落ち込んでたからさ」
乾杯もせずに飲み始めたこいつは、
さらに言葉を重ねる。
「眠れない夜は何してる?とか、元カノと寄りを戻したことある?とかさぁ、俺だけじゃなく色んな人に話してたみたいじゃん?」
・
・・
・・・
・・・。
いまさらだが
何だか恥ずかしい。
「んで最近彼女とどうなのって聞くと、すぐ話題を変えてさ、分かりやすすぎるって一瀬は」
薄々どころじゃなかったか。
別れてから2ヶ月ちょい。
そりゃ気づくわな。
「俺はな、お前から直接聞きたかったんだけど、何故か中山先輩からこの話が耳に入ってねぇ~」
中山先輩・・・
固く口止めしといたのに。
一個上の先輩。
野球部のマネージャーだった人
好きだった時もある。
おおらかで、面倒見のいい人だ
お互い卒業してからも
家が近かったせいか
よく顔を合わせていた。
んで、恋愛相談のオンパレード
「中山先輩ってさ、今彼氏いないらしいよ」
俺のとっておきの情報だ。
高校時代から付き合っていた彼氏と最近別れたらしい。
高校時代へのピリオド。
そう言っていた。
「うわ~、岡山先輩と別れたんだ~・・・それは初耳だわ」
「狙ってみれば?」
「無理無理無理無理!」
「何でよ?」
「中山先輩は、いつまでも憧れで居て欲しいの、分かる?」
う~ん、自由な発想だ。
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