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とある日、
俺が売り場を整理していると、エプロン姿の女性が声を掛けてきた。
｢すいません、今お時間よろしいですか？｣
…？
客ではない…な。
｢何ですか？｣
その女性がチラシを差し出す。
｢今度近くに店を構える事になりまして～｣
満面の笑みで話を進める。
どうやら店の売り込みらしい。
｢是非いらして下さい！｣
まぁチラシを受けとる位なら、店長の了承無しでもいいだろう。
｢あ、はい、分かりました｣
チラシを数枚受け取った。
パスタ専門店か…
｢では失礼します～｣
｢ええ、どうも｣
何度もお辞儀しながら女性は帰っていく。
オープン記念で期間中は２０％オフ…か。
最近、コンビニ弁当も飽きてきた所だ。
行ってみようかな…？
｢一瀬さん、さっきから何を読んでるんですか？｣
体が一瞬ビクッとなる。
｢あ！今度できたパスタ屋さんのチラシじゃないですか～！｣
唐沢めぐみは、目をキラキラさせながら、俺のチラシを覗きこんでいた。
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