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「デリケートって…そんなに繊細じゃないでしょ~に」
彼女の可愛い笑みがこぼれる。
「まぁね」
チラシをバタつかせ、外国人の様なポーズをする
「あ、一瀬さんそのチラシ貸して下さい」
「ん?あぁ、はい。」
俺の手のひらで暇をもて余していたチラシを彼女に渡す。
「一瀬さん!来店百人目のお客様には五千円分のお食事券が貰えるみたいですよ!」
へえ
目をつけるところはそこなんだ。
俺は20%オフしか目がいかなかった。
目の前の割引より、イベント性の高い方に目がいくとは。
「五千円分ってすごいな」
沢山食べれそうだ。
「ほんとですよね~!それに新しいお店って何だか楽しい気分になるし…」
彼女はチラシから目を離さず話しまくる。
パスタが好きなのだろうか?
新しいお店が好きなのだろうか?
「唐沢さんは、どっちが好きなの?」
「そうですね~、カルボナーラですかね~!」
あぁ、言葉足らずだった。
俺の言いたいことが、今ので伝わる訳ないか。
「一瀬さんもパスタ好きなんですか?」
不意に顔を上げた彼女と目が合う。
思わずドキッとなる。
「あ…」
彼女も、僅かだが頬を赤く染め、
慌てる感じでチラシに目を落とす。
「俺、好きだよ」
その瞬間、
バッ!っと彼女が顔を上げ、驚いた顔で俺を見る。
何故か顔が真っ赤だ。
「え!いやっ、あのっ!」
しどろもどろで、
またチラシに顔を埋める彼女。
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