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おぉ・・・
意外と長い。
「絵文字、使わないタイプなんだなぁ」
これも意外だ。
業務用携帯だから?
そんなん関係ないか。
「全然オッケーですよ」っと
送信中という文字の後
すぐに係長に電話する。
プルルル・・・
「どした?」
出たのは川崎係長。
シフト作成を牛耳る男だ。
「あ、すんませんこんな時間に、来週の金曜のシフトなんですけど・・・」
「お!デートか!?」
すげーな、係長。
監視でもしてるのか?
「いや、そんなんじゃないんですが・・・」
「デートなら変更可!何なら休みにしてもいいぞ!」
・・・。
何それ?
「とりあえず遅番から早番に変えていただけませんか?」
「はっはっは~!ついに一瀬にも春が来たか!一瀬には最近浮いた話の一つもなかったからな!皆心配してたんだぞ!」
・・・。
そうなの!?
確かにここ何年かデートなんて
ご無沙汰だったけど・・・
てか皆って誰よ?
「頑張れよ!シフトは全然大丈夫だから!」
「あ・・・いや・・」
・・・。
切れてた。
この辺の機敏さは流石係長。
仕事は速いわ、対応は良いわで
色んな店舗から手伝ってくれと、オファーが来る程。
俺が言うのもなんだが
出来の良い係長だ。
恐らくだが
シフトは頭の中に入ってるんだろう。
誰が休みで誰が早番か遅番か。
全部でこの店は31人働いているのになぁ・・・。
こういう時に知る他人の凄さに、俺はまだまだだと、痛感する。
一応この前係長昇進試験を受け、一応は資格を取ったのだが・・・、
「俺はまだなれそうにもないなぁ」
と、ため息をついた。
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