春まで待ってる

　朝になると、真っ白世界に、赤や黒やピンクといった色とりどりのランドセルを背負った子ども達がやってきました。

　キャンパスに、点々と垂らした絵の具のようです。

　ある子どもは、走ったり。
　雪を投げたり。
　傘をブラブラさせながら登校している姿もあります。

　（こういう雪景色も良いな）

　ネズミの男の子は、楽しくなってきました。

　そして、目当ての赤い手袋の女の子も通り過ぎて行きます。

（本当にいい手袋だなぁ）

　ネズミの男の子が、巣穴の奥へ戻ろうとした時、耳をつんざく、厭な音がしました。