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翌日、山川丸美は午前五時に起床した。
昨夜は友人数名とカラオケに行き、その疲れから風呂にも入らず寝てしまったのである。
「うわ、髪が」
山川丸美が部屋にある等身大の鏡を覗き込むと、やけにやつれた顔とくたくたの根性が無い髪が映っていた。
「朝風呂だなあ、こりゃ」
そうボソッと呟いて取り敢えずリビングに直行した。
机にはいよいよ来週に迫った海外遠征の日程のプリントがあった。
そのプリントの上に乱暴に置かれた新聞紙を手に取ると即座に裏面のテレビ欄を目に通す。
そして 8時だよ全員集合! の再放送特番があるのを確認すると昨日の変わった出来事を思い出した。
「そうだ、8時集合だったな」
山川丸美は誰も居ないリビングで呟き、着替えを持って風呂場に向かって小走りした。
シャワーを浴びながら、山川丸美は昨日出会った男について考えてみた。
手合わせした時に確認できた情報をまとめる。
1、身長は180以上の比較的長身
2、体重は80程
3、ボールハンドリング悪し
4、強引にゴールを狙い
5、接触を恐れない
6、平均4ファールくらいするタイプ
そして山川丸美が何よりも驚いたのは、あの男が中学生だと言うことだった。
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