あたしが迷子!?

12/20
前へ
/23ページ
次へ
後でちっちゃい男の子のお母さんには 「家の子がご迷惑おかけいたしました。すみませんでした。助けていただき、どうもありがとうございました。どこかケガはしてますか?」 お母さんは深々と頭を下げた。 「ああ、いえ。大丈夫です。」 「そうですか。本当にご迷惑おかけしてすみませんでした。ほら、あっくんも頭下げて。」 お母さんとあっくんと呼ばれたちっちゃい男の子は、もう一度深々と頭を下げた。 「あの、何かお礼をしたいのですが、お時間は大丈夫ですか?」 ええっ!そんなんいいのに。律儀な人やなあ。 「あの、そんなんいいですよ。 そのかわり、これからはもうこの子から目を離さないでくださいね。」 「はい、すみません。また会った時にでもお礼さして下さい。」 夏美はあっくんと同じ目の高さになるようにしゃがんで、 「それからあっくん。 もうお母さんの元離れたらあかんよ。それと、勝手に道路に飛び出したらひかれれるで。 道路を渡る時は右見て、左見て、もう一回右見て車が来てなかったら、ちゃんと右手を上げて渡るんやで。わかった?」 と頭をなでながら優しく言った。 「うん。わかった。次から気ぃつけるわ。 じゃあね、バイバイおねぇちゃん。」 .
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加