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後でちっちゃい男の子のお母さんには
「家の子がご迷惑おかけいたしました。すみませんでした。助けていただき、どうもありがとうございました。どこかケガはしてますか?」
お母さんは深々と頭を下げた。
「ああ、いえ。大丈夫です。」
「そうですか。本当にご迷惑おかけしてすみませんでした。ほら、あっくんも頭下げて。」
お母さんとあっくんと呼ばれたちっちゃい男の子は、もう一度深々と頭を下げた。
「あの、何かお礼をしたいのですが、お時間は大丈夫ですか?」
ええっ!そんなんいいのに。律儀な人やなあ。
「あの、そんなんいいですよ。
そのかわり、これからはもうこの子から目を離さないでくださいね。」
「はい、すみません。また会った時にでもお礼さして下さい。」
夏美はあっくんと同じ目の高さになるようにしゃがんで、
「それからあっくん。
もうお母さんの元離れたらあかんよ。それと、勝手に道路に飛び出したらひかれれるで。
道路を渡る時は右見て、左見て、もう一回右見て車が来てなかったら、ちゃんと右手を上げて渡るんやで。わかった?」
と頭をなでながら優しく言った。
「うん。わかった。次から気ぃつけるわ。
じゃあね、バイバイおねぇちゃん。」
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