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あたしは瑠奈が標準語を嫌うので、というかあたしもあまり好かないのでなるべく関西弁で話すようにしていた。
瑠奈って栗色のショートカットで目がぱっちりしてて、ものすごい単純やんなぁ…。でも、またそこがおもしろい。
「夏美って瑠奈の事そんなふうに思っとったんや。初耳やわー。」
今、顔をニタつかなせながら言ったのは、同じクラスで友達のしっかり者で甘い物好きの大原真由(オオハラマユ)だ。
真由も入学式に知り合ったのだ。
てゆーか夏美も十分イケてると思うねんけどなぁ。夏美知らんのかなぁ?瑠奈もやけど夏美も相当男子に人気あるのに…。
と真由は思っていた。
「誰が単純なんかなぁ??夏美ちゃん。しばかれたいんか、ああん!!!」
ビクっ!
うわー。要らんこと言ってもた。
「だっ、誰が単純なんでしょうねー。そんなんあたしが言うわけないやん。聞き間違えたんちゃう?」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
許してくれへんかったら絶対何かやらされる。
どーしよ。教室の真ん中でモノマネとかやったら…。
「そーやんな。夏美がそんなん言う訳ない。ごめん、聞き間違えやわ。」
出た単純。瑠奈って意外と単純やからなぁ。
助かったあ。
コイツ単純すぎやろ、とみんなが思ったのは言うまでもない。
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