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祖母の麗が亡くなったのは、去年の4月の終わりだった。
麗は桜を凄く好きで、毎年桜の時期を心持にしていた。
しかし、病魔に侵されていた体はあと少し待ってくれる事はなく、桜を見ることがなくなくなってしまった。
椿は、麗が入院生活を始めてから時間を作っては顔を見せに行っていた。
いつも穏やかな表情で、起こっている所を椿は見たことがなかった。
祖父を先に失った麗であったが、子供や孫の前で寂しい顔を見せることすらなかった。
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