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『ふぅ➰春はいいなぁ』
団子屋の軒先で茶をすすってふと往来をみるとそこにはボロボロの剣術道具を大事そうに抱えた火の玉みたいな目をした若者が独り。
『いい目ですねぇ…きっといい侍になる』
ふとその若者と目が合うと急に走り寄ってきた
脇差しに手をかけたその時
『……………ょ』
『はぃ???』
『団子くれよ!!!もう3日も草しか食ってねぇんだよ1串でいいから!!頼むよ』
そう言うやいなや若者は私の皿から3串の団子をまるで当たり前の様に平らげた
『いや➰助かったわ!!なんか礼がしてぇなぁ……うーん』
考え込んでる若者に
『あの…いいです…けっこうですから。私、先を急ぐのでこれで』
背を向ける
『おぉ!!!そうだ!!!決めたぞ!!!お前刀差してるけどあんまり強く無さそうだから道中警護してやるよ!!』
『はぃ??』
『さ、行くぞ今日の宿は何処だ?決まってねならさっき…』
『いや…あの…困ります』
『でぇじょうぶだよ!!恩人に給金求めたりしねぇからよ!!ただ飯………いゃなんでもねぇ……警護するために朝から就寝まで一緒だから必要経費で宿代と飯代だけ払ってくれりゃいいさ』
いつの間にか私の手荷物まで抱えている
『あの……本当……困ります。それ私の荷物ですし』
『恩人に荷物なんざ持たせたら里の妖怪ばばぁにぶんなぐられちまうぜ!さぁ!!行くぜ!宿は何処だ?』
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