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ゆっくりと暮れてゆく大阪の1日
里を出てからそんな事感じた事がなかった
湯屋でため息をついた
『清太くん何を若い身空でため息なんかついてるんですか』
ハハハッと幹太顔負けの爽やかさで笑う青年
俺とそんなに歳は変わらねぇように見えるがその身体には百戦錬磨の証がいくつも刻まれていた
俺は幹太とふざけてつけた小さな刀傷をそっと手拭いで覆った
『風呂に入ったのも久しぶりなんです』
『なるほど。だから獣の匂いがしてたんですね』
にこやかな表情で毒づくこの優男がまさか沖田総司だとは誰も気づくまぃ
天才剣士の名を俺の里まで響かせ剣の腕は強者揃いの新撰組で一番と言われる男だ
もっとガタイのいい筋肉隆々とした男を予想するのが普通だ
しかし実物の沖田はヒョロリと背は高いがどちらかと言えば頼りなげな猫背のヒラメ顔だ
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