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『おっ今日は高菜か!!』
綺麗な顔に似つかわしくない鼻の動きと共に幹太が帰って来た
『たった今お市様にもってかれちまったがな』
ハハッと爽やかに笑いながら幹太は防具と竹刀を土間に置いた
『幹太➰今日は何を習った?昨日の孔子とかゆーじ様のありがてぇ説教の続きかよ?』
俺はこんな感じで幹太に授業をせがんだ
毎日、毎日
幹太は嫌な顔ひとつせず俺にいろんな事を教えてくれた
一通り習った事を話終えるといつも
『本当は清太のような奴が学問も剣術もするべきなんだ。うちの藩校に通うお坊ちゃん達に百姓のお前の剣術みせてやりたいよ』
きまって父である志村先生と同じセリフを吐くのだった
志村家の人達は俺の心のオアシスだった
なかでも小夜は格別
『けぇったぞ➰』
いつも通りの小屋
いつもの妖怪
『てんめー!!また幹太様そそのかしてお小夜様にちょっかい出しに行ったね!?』
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