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新撰組 副長土方歳三
話に聞いてはいた
京都に屯所をかまえたゴロツキ
街の商家で金の無心はする
花街での花代踏み倒す
往来で血の雨をふらす
"壬生狼"
壬生の民家に預かられていたことからなのだろう
京都市中ではソイツラの噂はろくでもない事ばかりだった
そんな頃だった
隊士をつのるためにこの田舎をおとずれた土方歳三に会ったのは
『おぉ~。男前だねぇ』
俺は子供みたいに木の上に登りその男を見下ろした
噂に聞いた鬼の副長は予想外に二枚目だった
『ありゃぁ江戸でも京都でも泣いて待ってる女が山の如しだろうな』
京都にいるであろうまだみぬ美人に思いを馳せて思わず頬が弛む
『おーぃそこのワッパ』
まさか………
『おめぇの事だ。降りて来いよ』
やっぱり……俺の事みてぇだなぁ……
実は人んちの庭の木に勝手に登っていたから背中に変な汗をかいた
『いつから気づいてらしたんで?』
鬼の副長 土方歳三の目前に飛び降りて本当は緊張しきりなのを隠す
『ん~身が軽いな…身体も丈夫そうだ……面構えも気に入った』
『おぃ……おっさん!!聞いてやがんのか!?』
『口が悪りぃなぁ…まぁ、俺も人のこたぁ言えねぇが……近藤さんに引き合わせる前に……ブツブツ』
『おぃ!!💢聞いてやがんのか!!おめぇの耳は張りぼてか!!』
『おぅ、悪かったなワッパ』
『おれの名前はワッパじゃねぇ!!清太だ!!』
『そーか、そーか。清太。おめぇ、新撰組にはいらねぇか?』
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