独り言

2/2
前へ
/6ページ
次へ
  ねえ、Sちゃん。 あたしは、笑っていいの? ねえ、Sちゃん。 あたしは前に進んでもいいの? どこを見ても Sちゃんの足跡ばかり。 何をしても 『Sちゃんならこんな時   どうしたかな‥』 『どんな顔で、どんな声で   居たのかな‥』 って。 こんな事ばっかり考える。 初七日の代わりに皆で Sちゃんに献杯をあげたよ。 皆Sちゃんが好きだった お酒ばかり飲むから 何十本あいたかわかんないや。 この時誰かに言われたの。 「夜宵ちゃん、飲みすぎ。   まるでSちゃんが憑いてる    みたいだね。」 って。 自分でも確かに思ったよ。 普段なら飲める量じゃ なかったから。 だって一人でボトル 三本くらいあけたもん。 本当にSちゃん 憑いてたのかな? だったら。 嬉しいな。 ずっとあの時の事も 忘れないよ。 でね。 それからもう四日も経つけど。 あたしご飯まったく 食べれなくなっちゃった。 大食いのあたしが。 まったく食べれないの。 体重三キロも落ちちゃった。 笑っちゃうよね。 だけど。 だけど、当たり前かな。 だってSちゃんはもう 何にも食べれないんだもんね。 好きだったお菓子も。 小さい身体の割りに たまに無茶程大食いに 食べてたご飯も。 もう食べれない。 だからあたしも 食べれないのかな。 まだ一緒に 居てくれてるのかな? こんな些細な事でも まだ繋がりを求めちゃう。 あたしは、 いつになったら。 前を向けるの‥‥? ねえ、Sちゃん。 答えてよ。 もう聞けない声で。 こたえてよ‥‥‥  
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加