Sちゃんへ。

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  今、Sちゃんの香りの中で これを書いています。 どこかで見てくれてますか? 聞いてくれてますか? ちゃんと届くといいな。 もし届かなくても、この詩をここに記すのは自分の為でもあるから。 忘れないために。 私の中でSちゃんの事を少しでも風化させないために。 前に進むために。 前を向いて歩けるように。 そしていつか、心から笑える日がくるように。 心の整理をつけたいから。 今は。 まだ今だけは。 Sちゃんの事想っていてても、いいよね? Sちゃんはいつもそう。 いつも何も言わずに。 何でも急だったね。 後から聞かされたり。 周りから聞かされる事ばっかりで。 驚かされてばっかりだったよ。 今回の事もそう。 Sちゃんが亡くなった二日後に、周りから聞かされたよ。 最初は嘘だって思った。 だってその日、連絡取ってたじゃん。 普通だったじゃん。 彼女できたって言ってたじゃん。 なのに。 なのになんでよ。 何でその後すぐに死んでるの? どうして? どうしてよ。 どうしていつも何も言わないの? どうしていつも何でもかんでも急なの? ねえ、Sちゃん。 答えて。 答えてよ。 どうしてなの? 何で一人で死んじゃったの? いつもの少し高い声で答えてよ。 いつもみたいにあたしの名前を呼んでよ。 こっちおいでって、いつもの笑顔であたしを呼んでよ。 脚の間に座らせて、後から抱きしめてよ。 それでいつもみたいにテレビみたり、愚痴言い合ったりしようよ。 あたしがこたつで寝ちゃった時は、お姫様抱っこでベッドまで運んでくれて、腕枕して寝てくれたじゃん。 まだ借りた本も返してなかったのにさ。 もっともっと色んな事話して、愚痴言い合って、Sちゃんが泣くのをあたしが良い子良い子したかったのにさ。 何にも。 もう、なんにも。 できなくなっちゃったね。  
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