序章

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「兄ちゃんもそんな所でずっと待ってるの大変だな」 三笠が時間を見て少し俯いてた所に、近くで休憩してた『導管班』の内の一人、真っ黒焼けた肌の中年位の作業員が声を掛けてきた。 「ははは…えぇ、まぁ」 三笠は分かりやすい苦笑いで返事を返した。 屋内作業がメインである『D工法』の監督見習いである三笠にとっては始めて工事経験で、慣れない事で尚且つ真夏の猛暑の中での作業となった為確かに過酷な作業環境であった。 実際、この日までに『導管班』の何人かは作業中に倒れ救急車で運ばれていた。
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