序章

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肩から下げている無線からは時折聞こえて来る森部長や協力会社の職長の神崎、押山、浅倉の今何処を口を開けたかとか何分間吸引させないとマズイとかのやり取りが聞こえるだけで、一向に三笠の前にある蓋を開ける指示は出て来ない。 地面はぬかるんでいるのと酸欠になるのが怖かったので腰をつける事も出来ず、かと言ってガス管は穴の下の方にある為、いつ指示が来て蓋を開けなければいけなかったので、穴から出る事も出来なかった。 三笠は中腰の状態から一度立ち上がり酸欠にならないように穴から顔を出し地上の空気を吸う事にした。地上にはこの穴を掘ってくれた担当の導管班の人達が復旧の準備を終えて休憩をしていた。 三笠はふと腕時計を見た後、近くにあった標識を見る。 時刻は14時半。 場所は神奈川県川崎市南区某所。
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