新撰組と二人の私

日頃の行い

～次の日～

『おい……また出たってよ』

『今噂の幻龍……だろ？』

『あぁ、３０人近く殺されたらしいな……』

町の中は、昨日の事件で持ち切りだった。
ザワザワとしている町の住人達は、その話しかしていない。
そんな不安に包まれた町の空気を破ったのは……

『すみませーん！これください』

と、言う、可愛らしい女の声だった。

『あら、麗ちゃん。いつもありがとうね』

『いえっ！ここのお野菜、とっても綺麗だし…新鮮で美味しいからっ』

『嬉しい事言ってくれるわね。これ、少ないケド……おまけよ』

『わぁ！ありがとう』

今、話をしていたのは、この物語の主人公 斎藤 麗(ｻｲﾄｳ ｳﾙﾊ)。
それと、行きつけの八百屋のトヨさん。
この二人はとっても仲が良く、親子のようだと評判だ。