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~家~
『ただいま…』
しん……とした部屋に響くの声。
もちろん、その言葉に返事は返ってこない。
言う度に、自分は独りなのだと自覚させられる。
だが、言わずにはいられない。
心の何処かでは“おかえり”の一言が返ってくる。
そう思っているのかもしれない。
『……もう、昔の事なのにな……』
麗は、自嘲気味に笑う。
しかし、それはとても寂しそうな笑顔だった。
『疲れた……少しだけ寝よう』
そう呟き、麗は布団を敷き、横になった。
……そして、そのまま深い眠りについた。
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