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警察官が警部を中心にステージへ上がって来ると,思っていた通り,厳つい顔をした警部がステージの上に立っているキク乃の前に立ち塞いだ!
「キミはここの生徒か…なぜ,こんな所にいる?」
片眉をつり上げながら警部が言う!
…確かに,もっともな意見だ。
「そうですねぇ…簡単に言っちゃえば,発見者です。」
「第1発見者という事か!?」
「いいえ。ただの発見者です。」
「では,何故ここにいる!?」
「発見者です。」
「……。」
キク乃が頑なに「発見者」と言い張るので,さすがの警部も言葉の応酬にあきらめの表情を見せた。
…だが,しばらくキク乃の姿をじーっと見つめていると記憶のどこかを刺激される!
一体,どこでその姿を見たのか頭をひねり思い出そうとした。
そして,やっと思い出す!!
「…あっ!キミは,前に強盗事件の犯人を引っ張って来た"探偵少女キク"!!」
…あながち間違えてはいないが,とうとうキク乃にとっての「あの」単語を言ってしまう!!
「……その呼び名は気にくわないんで言わないで欲しいんですが…。」
キク乃がとびっきりの笑顔で答える。
警部は,その表情を見て言葉を失ってしまった!
カンペキな笑顔ではあるが感情という感情がまったく感じられない。
一言で例えるならば,"極限の怒りは人を笑顔にさせる"だ!!
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