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「そりゃあそうだけど,もっと言いようはあるじゃない!?」
「知らんものは知らん!!」
「さっきまでの爽やかキャラ,マジでどこいった!!」
どちらも1歩も引かず,ただ言い合う。
だんだんなんだかバカらしくなって言い合うのを止めたが,互いに互いを睨む。
…今度は,どちらも会話を切り出せない!
(いきなりヒョイッと出てきてなんだコイツはァァ!!!!)
とキク乃。
(名前なんて聞かされてねぇーんだよ!!)
と鳴澤。
どちらも心の内の叫びは,共通点を持っていなかった。
…ただし,どちらもこのまま何時間もこの場で留まっているわけにもいかない。
諦めてキク乃も鳴澤大きなため息をつく…
しかも,ほぼ同時。
「…鳴澤。キリがないし,さっさとマジで案内するか…」
キク乃のセリフを聞いた鳴澤は,手のひらを上に向け「しょうがない」という表情を作る。
…その表情に,心底腹立たしく思ったが必死に理性を保つ!
こんな所でイライラ爆発したら,ただの我慢出来ないバカではないか。
そう自分に言い聞かせて鳴澤と共に学校巡りに向かう…
-学校巡り終了後-
教室に入ると,3時間目が始まる直前だった。
キク乃と鳴澤は,学校巡りを速歩きで終え1分1秒でも早く,2人きりから脱したかっのである。
突然「俺の姉貴だ」と言われてもどうしようもないし,そう言った本人も内心では,かなり恥ずかしいセリフだと思っていた!
その気まずい空間の中から,1度出てしまうと頭の中をしっかり整理する事が可能となる。
…そして,次の授業である"英語"の準備を始めた。
「Hello,evryone!」
英語の先生が軽くあいさつする。
キク乃も他の生徒と一緒にあいさつしようとした…が,鳴澤が折りたたんだノートの切れ端をキク乃の机の上に投げて来たので,素早く紙を開く!
=本当に急に話して悪かった!
…だが,俺の母親とお前の母親は"同一人物"なんだよ。
それは紛れも無い事実…
例え同一であっても,俺が継いだ名前は天才の"鈴"ではなく"鳴澤多久也"。
探偵としてお前に負けるワケにはいかない!!=
意味がイマイチ分からない内容もあったが,血縁関係はどうもホントらしい。
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