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…信じられない事に。
そして,キク乃には一番気になった単語があった!
「……天才?」
さっそく聞こうと思ったが,授業が進んで行くので諦めて教科書に目を移す。
-放課後-
6時間の授業が全て終了し,クラスメート達は急ぎ足でカバンに荷物を詰め込み部活動や帰宅に向かう!
キク乃も周りと同じように,帰りの用意はしているが机のそばに置いてあるモノがおかしい。
バケツや箒・雑巾やちりとりなど,掃除で使うような道具が一式そろっていた!
「…体育館掃除,面倒くさいなぁ。」
キク乃が渋い顔でつぶやいていると,鳴澤がポンッと軽く叩く。
「…やぁ,鈴さん!"僕"も今日からこのクラスの一員。それで今日は,君と同じ体育館掃除なんだ!よろしくね!!」
屋上での,あの軽いしゃべり方ではなく敬語で爽やかキャラの鳴澤だ。
「なんでキャラを使い分けてんの!?…私だけ。」
キク乃が睨むような目つきで鳴澤を見ると,笑みを崩さないまま言う!
「それは,お姉さんだからだよ!」
「………絶対ウソだ!」
言いながら掃除道具を持ち上げる。
この学校では,他校と違い週に1回,体育館掃除を各クラスから2名ずつ1年生と2年生の16人で行う。
何時頃終わるのかは,その時のメンバーと効率の良さで決まる!
…また,この制度を作ったのは現在の校長である。
道具を持ち鳴澤に説明しながら体育館に行くと,すでにメンバーがそろっていた。
「「鈴様!!!」」
後ろからは,お馴染みの沼田兄弟。
「…って,なんであんたら兄弟が居るんだァァ!!!!」
自然な形でやって来たので,ツッコミが遅れる!
…キク乃達以外の掃除メンバーは,早く掃除を終わらせたくてキク乃達を睨む。
「……。」
…無言のまま,掃除が始まった…
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